はためく

はためく

子供の頃は、おじいちゃんおばあちゃん、おじさん家族、私の家族と合計9人で一緒に住んでいました。
おじいちゃんがクリーニング店をしていたので、家の奥の作業場にはぶ厚い綿の掛け布団が丸ごと入るむき出しの脱水機や、子供2~3人が余裕で隠れられるコンクリート製の洗濯物入れとかがありました。2階はお客様の服やシーツを干すための物干し台になっていて、いつもたくさん干された洗濯物が外から見えました。その頃は天日干しが常だったので、お日様を燦々と浴びる100以上の洗濯物1枚1枚がキラキラ輝いて見えました。みんなの服をきれいにしてあげているんだよと、何だか誇らしかった記憶があります。洗濯しているのはおじいちゃんですが・・・
その作業場の外に、家族用の普通の洗濯機があり、当然ながらお客様のものとは別に、そこで私たちの衣類はおじいちゃん以外が普通に洗っていました。
庭には、1本のイチジクの木とチャボとおじいちゃん手作りの池で泳ぐ鯉。池の前から見上げると、はためく白いふんどし。隙間からわずかに覗く空の青さと太陽の光。私の頭の中には、好きな思い出の1枚として保存されています。あるアニメの曲中で、赤いふんどしをして岸壁に立つ姿が流れるたびに、色は違いますがその庭からの光景が思い出されます。

当時40歳前後のおじさんも、試したらやめられなくなったといつの間にか白いふんどしへ変わり、はためく白いふんどしが増えました。
それにしても、ふんどしって2m位ありますよね。あんな長いもの、どうやって着けるの?いまさらながらに疑問です。

関連記事

PAGE TOP